家飲みで口福!うまうまワイン(Last:order通信 2021/5月号)

こんにちは!ミホです。
巣立ちが近いのか
くるくる飛ぶツバメたちが愛しいこの頃です。

アイスドリンクが美味しくなってきて
ワインも冷やしたものが欲しくなりますね。

緊急事態宣言の延長を受けて
Last:orderは5月31日まで
休業することとなりました。
ご不便をおかけしてしまい申し訳ございません。

よって、いつものようにご案内できる
店のイベントやフェアもセミナーも
今月はありません。泣。

せっかく月に一度のご挨拶に、
このまま終わるのはあまりに悲しい。
ご自宅での飲酒機会が増えていると思いますので、
連休中に私がハマった
ワインと料理のマリアージュ(以下ペアリング)を
ご紹介いたします。

今日のトピックスです。
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・おすすめペアリング
・休業のおしらせ
・コロナ対策
・後記
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【いつもの組み合わせに飽きた時のペアリング】

ずばり!ボルドー(フランス・赤)×馬刺しです。

『まずは定番。ボルドーワインと牛肉の関係』

最近の日本で人気の赤ワインは、
軽めにシフトしてきています。
ブルゴーニュを中心としたピノ・ノワールの天下。
無論、私もピノ・ノワールが大大大好きです。
なんとなく、ボルドーって古くない?重いのなら
チリやスペインの方がガッツリして良くない?
と思われがちなところがあります。(当社調べ)

実際、ボルドーを好まれる方の年齢層も高めです。

とはいえ、令和の街をみれば
魚を提供する居酒屋や小料理屋の代わりに
そこかしこに肉肉肉の文字。
つまり焼肉屋さんがとても多いのです。

牛肉・オレンジ自由化問題(1988)を経て、
その成果は明らか。
昭和世代の憧れだとういう
ビフテキ(=ビーフステーキ)が
今や定食屋さんでも気軽に食べられるようになり、
厚切りステーキが、しっかり市民権を
得ているではありませんか。

クレヨンしんちゃん的位置づけの
親が子供に見せたくない系統である
ファミリーギャグマンガ「あさりちゃん」に、
姉妹の「ビフテキ争奪」の回があり
その時はじめてステーキではなく
ビフテキという言葉を知った記憶があります。
ああ、また読みたいなあの漫画。

照り焼きのようにタレが甘いと
カリフォルニアのカベルネやメルロー、
またはチリカベ(チリのカベルネ)の方が
旨味のインパクトは強く
第一印象では圧倒的な人気を誇ります。

ところが、並べてみると
最終的にはボルドーワインの方が
減っていることの方が多いのです。
おつまみや食事を提供するセミナーを
10年開催してきた実体験です。
これはボルドーのワインが「食中酒」として
設計されているよく表しています。
チェイサーのように優しく飲み進められて、
料理を邪魔せず溶け合うからです。

実はフランス料理ではデザート以外で
砂糖を使うことはほとんどありません。
甘味を感じにくいボルドーワインが
よりマッチするのも納得です。

タンニンを豊富に含むボルドーの赤ワインは、
口の中の脂をすっきりと
流してくれる効果もあります。

フランスの牛肉はとても美味しいのですが
中でも最高級ブランド牛の一つ
「バサス牛」の産地も
ボルドーから60キロしか離れていません。

あら?牛でなくて馬とか言ってませんでしたか?

『鉄分豊富な赤身の馬肉に品のある赤ワインで』

そうそう、今回は変わったペアリングで
馬刺しでした。話を戻します。

桜肉ともいわれる馬肉は脂が少なく、
とてもしなやかであっさりした肉質。
鉄分や疲れを取るグリコーゲンも豊富。
ヘルシーなたんぱく質が
たくさん摂れるのは魅力的です。
フランスの牛肉は、日本の牛肉と比較して
脂が少ない赤身が多いので、以下のように

ボルドー×(牛肉≒馬肉)=Bravoなペアリング

という公式も無理ではないでしょう。

牛肉×ボルドーも完璧ですが、
あっさりした赤身の馬肉にこそ、
ワインの品格が問われるような気がします。
だからこそのボルドーです。

ところがボルドーには
ちょっとした問題があります。
慣れていないと、一口飲んでも
美味さが伝わりにくい複雑さがあるのです。
一言でいうと大人のワインです。

子どもの頃、苦手だった
苦みのあるピーマンやタラの芽などが
大人になって美味しさが解るようになる
あの感覚に似ています。
鉛筆をなめた時に感じる鉄分、
スパイスのクローブやドライプラムや干したバラ。
個人的にはプーアル茶の
発酵した風味も時々感じます。

できれば5年は経ったボルドーを選んでください。
10年あるとなお良し。
(2021年の現在だと2015年以前のワイン)
私が合わせたボルドーは2006年と2014年で
こちらのお店で2500円程度でした。
(実際飲んだ銘柄は売り切れていますが
同じ系統のワインがたくさんあります)
www.hinoya.com/

若いボルドーは生意気でツンツンしがちなので、
あまり良さを理解されないことが多いからです。
5‐10年すると、だいぶまるくなって
周りの良さを包みこむ味わいが出てきます。
つまり大器晩成型なワインです。
身のまわりにそんなボルドーワインのような
キャラクターのお知り合いはいませんか?

いいところは、こうした少し熟成したタイプが
一番手に入れやすい赤ワインが
ボルドーのワインなのです。
ショップに並んでいることもあれば、
ネットで探すことも可能です。

馬刺しと九州の甘口醤油にニンニク。
そこにボルドーワイン。
口の中で馬がギャロップしますよ♪
阿蘇の草原で
そよ風になびくたてがみが浮かびます。

補足ですが、調べたところ
フランスをはじめ、スイス、イタリア、ベルギー、
ルーマニア、カナダでは馬肉を食べるとか。
(イギリス圏では食べません)

ちなみに、そんなに馬刺しを勧めておいて
私は生肉があまり得意ではありません。
馬刺しもそう好むわけではありませんでしたが、
ボルドーマジック恐るべし。。。
肉質がよかったのも大きいと思います。

実は、長引く休業要請で、
飲食店に卸せなくなった食材がたくさんあります。
こうした良質な馬肉は一般流通と違うため、
なかなかスーパーなどでは
手にしたり、目にする機会は少ないですよね。
いまはネットなどで手に入れることができます。
飲食店には行けないけれど、
上流の産業が先細りしないように
少しでも助けることに繋がるのならば
嬉しいことです。

ぜひ一度は、馬刺しとボルドーのペアリングを
体験いただけたら嬉しいです。

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【コロナ対策について】

Last:orderでは
下記のような対策をいたしております。
・来店時の手の消毒と検温への協力をお願い
・テーブルにマスクを置かれる際は、
配布のマスクケースをサービス
・アクリルパーテーションを設置
・お食事の個別提供*
・テーブルごとに消毒液を設置
・お帰りの後だけではなく、
開店前と閉店後に床と家具を消毒
・1時間ごとの化粧室の消毒
・入店人数の制限
・定期的な換気
・スタッフの手の消毒の徹底
・スタッフのマスク着用
・ブラインドによるスペースのしきり
・コロナ対策リーダーの登録と研修済み*

*新規追加または変更点
気づいたことがあれば随時改善してまいります。

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・後記

・店内お花見は無事に終了しました。
今思えば、営業自粛前で本当に運がよかった。
来年は晴れやかに開催したいものです。
雪野先生今年もありがとうございました。
FBページでぜひ写真や動画をご覧ください。
www.facebook.com/lastorderwinebar/

・ロゼワインセミナーに参加いただいた皆様
どうもありがとうございました。
セミナーの直後に、
zoomで懇親会を次回はしてみようかな。

・ヒラノの外部でのセミナーが
オンラインで1年ぶりに再開しました。
味覚の体感の共有を
画面越しにするのはなかなか難しい。
とはいえ、ご自宅で休日に
ゆったり受講していただけるのは本当に嬉しい。
コロナも悪いことばかりではないですね。
ワイン研修などお気軽にご相談ください。

・4月の中旬に1年遅れの法事で
四国に参りました。
得意のふるさと納税で
シーカヤックも体験してきましたよ。

FBに詳細は投稿したのでここでは割愛しますが、
三十三回忌の祖父にまつわる
不思議で素敵な出来事がありました。

振り返れば10年前の叔父の葬儀の時は、
帰りの飛行機のことばかり考えている私たちを
「つれないなぁ、もうちょっといてよ」
と戒めるように、季節外れの台風で
翌日の帰京便が欠航になったこともありました。

偶然といえばそれまでなのですが、
こうした出来事って、
何かを考えさせてくれるものです。

どうしても今のことばかり考えてしまいますが、
こういう長い緊急事態だからこそ、
泰然と構えて、時間を大きく眺めた行動を
取りたいものですね。

どなたにもチャンスの時間となりますように。
皆様の健康と、笑顔で再会できる日を
いつも願っております。

感謝を込めて