青臭さが清々しいパクチー的ワイン(Last:order通信 2021/7月号)

こんにちは!6月号をお届けしたばかりですが、
緊急事態宣言が出たので、
また休業となってしまいました。
申し訳ございません。

忘れないでほしいので
Last:orderは休みですが7月号をお届けします。

今日のトピックスです。
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・休業のおしらせ
・パクチーのような白ワイン
・コロナ対策
・後記
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【休業のおしらせ】

時短であれ営業再開の緑の青信号が灯ったと
安心した矢先の令和の禁酒令。
またまた休業です。とほほ。

7/12-8/22まで休業となります。

東京都の方針の変更もありえます。
最新情報はFBページでご確認ください。
www.facebook.com/lastorderwinebar/

お店での飲み比べをしながらの
スパークリングセミナーもお預けですが、
皆さん、家飲みを楽しんでください。
次のトピックで夏ワインをご紹介しますね。

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【夏に!爽やかな緑のペアリング】

「タイ料理×ソーヴィニヨン・ブラン」です。

『爽やかキャラなのに、
猫のおしっこだの草臭いだの呼ばれて』

まずは一通りの蘊蓄。
ソーヴィニヨン・ブラン、
つまり白いソーヴィニヨン。白ワインです。

白ワインといえば、シャルドネ、甲州、
リースリングが日本では有名ですが、
ソーヴィニヨン・ブランはワインの世界では
大変有名な品種です。
2017年のOIVのデータでは、白ブドウで
栽培面積が3位の品種です。

ソーヴィニヨンと日本語で書かれますが、
この呼び方は、「ヒラノ」を「ヒーラヌオン」と
呼ばれるかのように
ぞわわっとして心地悪いので
発音に近いソヴィニョンと以降書かせてください。

さて、この白いソヴィニョンですが、
ソヴィニョンはフランス語の野生を意味する
Sauvageソヴァージュが由来だそうです。
バブル期あるあるで人気の
平野ノラさんのあの髪型の名前の由来も同じです。

ちなみにカベルネ・ソヴィニョンという
似た名前の赤ワインで有名な黒いブドウは、
カベルネ・フランと
ソヴィニョン・ブランの子供です。
だから名前がカベルネ・ソヴィニョン。
とてもシンプル。

よって、原産地はフランスになります。
現在はフランスの中心線より西側の
ロワール地方やボルドー地方で
多く作られています。

他の国ではロワールのように
涼しいエリアで栽培されています。

その特徴は、青い香りが強いこと。
ツゲの香りが近いそうですが、
野生味がある、つまり
草のような香りが強いのです。

栽培地によっては煙のような香りがでるので、
煙の意味があるFumeフュメを取って
フュメ・ブランとも呼ばれます。

野生的な香りの極みとしては
「猫のおしっこ」と表現されることも。
猫ちゃんと生活していないのでピンときませんが、
食品のにおいの表現としては、
よだれどころか食欲が減退しますよね。
要はムスク(じゃ香)です。

美味しそうな表現をすると、
フレッシュで、青草のように爽やか、
キレがあって、ディルなどハーブ、
メロン、キュウリ、グレープフルーツ、
パッションフルーツ、柑橘類の皮の香りが
挙げられます。

実は、どんな時も爽やかな
若者のようなワインなのです。
自分の熱さをあからさまに出さない
「涼しげ」な人。
「個性的なのに爽やか」で
「癖は強いけれどそこまで面倒くさくない」
「フレンドリーなのに、一定の距離間を保つ」
そんなタイプです。どうでしょう?
魅力的で愛おしいではありませんか。

『パクチーであり、ガリの役割をもつ
引き立て役ならぬ引き締め役』

「ハーブっぽい」「フレッシュ」「青々」
そんな特徴から、夏を涼しく過ごすのに
とても向いています。

つまり、サラダ類には文句なくピッタリ。
肉や魚などたんぱく質と合わすなら、
フレッシュハーブを繋ぎに使えば一層合います。
サーモンにのせるハーブのディルと。
ベーコンならアスパラガスの香りがするので、
アスパラガスとベーコンのパスタなど。

パセリの代わりに合わせてみたり。
和食だとミョウガとも相性がいいでしょう。

夏場はベトナムやタイなど
東南アジア料理が恋しくなりますが、
そんなときもソヴィニョン・ブランはバッチリ!
パクチーのような存在になるからです。
パクチーが苦手でも、ワインであれば
大丈夫かもしれませんし、
美味しく思う可能性もあります。

また、脂っこいものをスッキリさせるために
レモンをかけますが、
そのイメージで使うのもいいですね。
前回のエビ×ロゼの話がありましたが、
今回のソヴィニョン・ブラン(ソヴィエビ)は、
焼いたエビや揚げたエビの強すぎる香りを
少し爽やかにする役割を持ちます。

つまり、このブドウ品種は、
料理と合わせて溶け合うというよりも、
スッキリさせる役割が強く出ることが多いのです。

とあるお寿司屋さんで
グラスの白ワインをお願いしたときのことです。
たいていは日本の甲州種かシャルドネ種が
お寿司屋さんではでてくるのですが、
そのお店はソヴィニョン・ブランでした!

ワインの仕事を始めて間もない頃でしたが
お寿司にとってのソヴィニョン・ブランは
「ガリになるのか!」と感動しました。
ネタとの口腔調味というよりは、
口の中が爽快になり、切り替える印象で、
一貫一貫を新鮮に味わうことができたからです。
機会があればぜひ試してみてください。

ほかにも、夏の飲み方としては、ワインカクテル。
オーストリアの夏の風物詩
スプリッツァーをご自宅でつくってもいいですね。
白ワインを炭酸水で割った飲み物ですが、
ソヴィニョン・ブランで割れば
一層爽やかになりますよ。

『ミネラルたっぷり草らしいワインから
黄金色のパイナップルのように多彩な顔』

青々しいブドウと再三お伝えしてきましたが、
まだまだ違う顔がこのブドウにはあります。

その一つが、トロピカルフルーツです。
パッションフルーツ、グアバ。パイナップル。
または白桃やグレープフルーツ。
温かいエリアで育つソヴィニョン・ブランには
こうしたキャラクターが出てきます。

有名なものではニュージーランドの
マールボロ(地方)のワインです。
ニュージーランドは涼しいのですが、
一日の中で四季があるといわれるほど
寒暖差があり、最高気温が高くなるため
パッションフルーツのような
味わいが出てくると言われています。

「フランスのソヴィニョン・ブランは苦手でも
ニュージーランドのは大好き」
という方も結構いらっしゃいます。

他には、ボルドーの白ワインがあります。
ソヴィニョン・ブランとセミヨン種を
ブレンドしているのが多いため、
ロワールのよりもマイルドになります。
(より温暖な気候も青さがまるくなる一因です)

そのピュアな香りを活かすことが多い
ソヴィニョン・ブランですが、
ボルドーでは、樽熟成させることも
しばしばあります。
爽やかなのに薫香が出てくるため、
ローストした料理との相性が大変いいのです。

ハーブ、青いフルーツ、南国フルーツ、
そしてウイスキーのように樽香。
いろいろなスタイルが楽しめるのも
ソヴィニョン・ブランの魅力です。

例外的に高級な
ソヴィニョン・ブランをご紹介します。

カリフォルニアのケンゾー・エステイトの
「あさつゆ」です。
こちらを始めていただいたのも
お寿司屋さんでした。
それまでのソヴィニョン・ブランのイメージを
覆すほどの衝撃でした。
黄金色でまるでグレープフルーツ。
甘やかなのにスッキリしている。
柑橘の香りに包まれるワインです。
ラストオーダーでも提供していますので、
お祝い事などあればぜひ!
ご近所のタイ料理との相性も抜群です。

すいません。ワイン愛がさく裂して
情報を詰めこみすぎました。。。
まとめます。
・基本お手ごろ価格
・青い香りが爽やかでハーブのように使える
・フレッシュタイプがメジャー
・一部樽の効いたタイプもある(特にボルドー)
・温暖なところではトロピカルになる(特にNZ)
・夏にピッタリ爽快ワイン

ぜひこの夏にご家庭で取り入れてください。

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【コロナ対策について】

Last:orderは
コロナ対策リーダーの登録と
研修済みの店舗です。

新しく強力な空気清浄機を導入しました!
営業再開後は安心してご来店ください。
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・後記

・アキラの舞台がいよいよ今日からです。
チケットなど詳細はこちらです。
yamadajapan.com/stage/gimmick/

・限定オリジナルワイン計画が進行中。
次号に乞うご期待!

・本文に書ききれなかった
ソヴィニョン・ブラン情報。
一番高いソヴィニョン・ブランはおそらく
カリフォルニアのスクリーミングイーグル。
小売価格で約80万円していましたっ!

シャルドネのように熟成するほど
旨くなる品種では基本ないため、
熟成コストがあまりなく早く販売できます。
超高級ソヴィニョン・ブランであれ
ボルドーの有名シャトーのワインで2-4万円。
(すごく高いのに安く感じるマジック)

・コロナでストップしていた労働組合での
ワインセミナーが5月から復活しました。
オンラインセミナーなので、出張がなくなり、
ライブの一体感が味わえないのがさみしい。
とはいえ、気軽に部屋から参加いただけるので
100人以上が一度に受講いただける
凄い時代になりました。いろいろと新鮮です。
企業やグループでのオンラインセミナーも
お気軽にご相談ください。

・先日、東京駅から直行バスがでている
DIC川村美術館に約5年ぶりに行ってきました。
Lasr:orderでおなじみの「クリスト」の
小企画展が開催されているからです。

印象派の巨匠郡に藤田やロスコにマグリット他
見事なコレクションは相変わらず圧巻です。
それにもまして、緑を眺めながら食事が味わえる
レストランや、鳥のさえずりが心地よい
緑溢れる庭園は眼福でした。
なにしろレストランの名前が
「Belvedereベルヴェデーレ」!
(イタリア語で「いい眺め」)
美術館の庭への自信を感じます。

梅雨もあと10日くらいで明けるでしょうか。
街路樹やゴルフ場、田んぼや森で目にする
雨露に濡れた緑の磨かれたような美しさは、
目だけでなく心も洗われるようです。

ブドウの樹もあまりに満たされた条件のもとでは
実をつけすぎて、味が薄くなり、
虫や菌類に冒されるリスクが高くなります。
苦しい土地では、数は限られますが
凝縮された果実を生み出して、
ワインに生命力を与えてくれます。
マイナスをプラスに変えられることを
ブドウやワインは教えてくれます。

8/23にはいろいろなことが水に流されて
この季節の緑のような
生き生きとした輝く世界が戻っていることを
願うばかりです。

ご自愛ください。
再会の日を心から楽しみにしております。
感謝を込めて

※ このメールマガジンはご来店および名刺交換させていただいた方に配信しております。

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Last:order(ラストオーダー)

Tel: 03-6438-9864
150-0002
東京都渋谷区渋谷2‐8‐12 ラ・グリスィーヌ2F
地図→ goo.gl/vKBrwa

18:00-24:00 (L.O.23:00) 土日祝休
ご来店前にご連絡いただけますと幸いです。

*東京都の要請をうけて、
7/12-8-22は休業しております。

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